ロゴ作成をしたときに使用する勘定科目

一般の企業も、自社でおこなっている事業のためにロゴを作成できます。ロゴを作成することで、会社の知名度を高めることに役立ち、親しみやすさが増すメリットがあります。他社に依頼してロゴを作成することもできますが、このような場合に気をつけなければいけないのが、経理で使用する勘定科目です。

ここではロゴ作成をしたときに使用できる適切な勘定科目について、詳しく紹介します。

ロゴを作成したときに必要になる税務上の正しい経理

企業が事業のために自社のロゴを作成した場合には、ロゴを作成するために使用した費用の金額によって、経理をする方法も異なってきます。特に気をつけなければいけないのは税務上の取り扱いで、間違った方法でロゴ作成のための費用を計上してしまうと、納付すべき税金の額が異なってしまう場合があり、後で税務署に間違いを指摘された場合、追加で課税されることがあります。

追加で税金が課せられると、通常よりも高額の税金を納めなければいけないこともあるので、ロゴ作成のための費用は、必ず税務上正しい方法で経理することが必要です。

ロゴ作成をどのような方法でおこなったかによっても、税務上の経理方法が異なる場合がありますが、企業がロゴを作成する方法として一般的なのは、自社でロゴを作成する場合と、他社にロゴ作成を依頼する場合です。

自社でロゴのデザインなどを専門におこなう部署がある会社ならば、ロゴの制作を雇用している社員に任せることもでき、この場合には勘定科目に給料を使用して人件費として処理することもできます。

他社に依頼してロゴを作成した場合

ロゴ作成をおこなった場合で、税務上の正しい方法で経理をすることが複雑になるのが、他社に依頼してロゴを作成してもらった場合です。この場合には、ロゴを作成してもらったことの対価として支払った金額が、税務上各種の方法で経理されることになります。

他社にロゴ作成を依頼した場合にも、どれくらいの金額をロゴ作成のために支払ったかによって、正しい経理の方法が異なっていて、間違った方法でロゴ作成の費用を経理してしまうと、税務上の正しい課税標準が計算できなくなってしまうので、必ず正しい勘定科目を使用して経理する必要があります。

ロゴ作成のために外部に支払った金額は原則として繰延資産に該当します。これは、ロゴを作成した効果が、ロゴを作成した事業年度だけでなく、その後の事業年度にも継続して及ぶからです。複数の事業年度において使用できる資産のために支出した費用であるために、支出した費用の効果が及ぶ期間において、均等に費用として処理していくのが、税務上の基本的な考え方です。

繰延資産としてロゴ作成の費用を経理する場合

ロゴ作成をしたときに使用する繰延資産という勘定科目は、貸借対照表の借方に記載する勘定科目です。借方とは貸借対照表の左側の部分で、右側の部分のことを貸方といいます。

貸借対照表は借方と貸方の勘定科目がセットで記載されるために、ロゴ作成の費用を繰延資産として処理した場合にも、同様の方法で処理をします。ロゴ作成をした事業年度の場合には、ロゴ作成に支払った金額を借方に繰延資産として計上し、貸方には現金預金などの勘定科目を使用して、支払った金額に対応する現金や預金の金額を減少させます。

ロゴ作成をおこなった事業年度に費用の全額を支払った場合には、貸方は全て現金預金で処理することができますが、経理の方法が複雑になるのが、ロゴ作成の費用を後払いで支払う場合です。この場合には、繰延資産の反対側に使用する勘定科目は未払金になり、実際に費用を支払った事業年度において未払金を借方に計上し、貸方に現金預金を計上して、未払金を税務上減少させます。

費用の一部に未払金がある場合にも、同様の経理が必要です。

繰延資産としてのロゴ作成費用を償却できる期間

繰延資産として経理したロゴ作成のための費用は、税務上は開発費という勘定科目に細分されます。開発費も繰延資産の一つであるために、資産として計上した金額を費用に計上することができます。開発費は税務上、自由に償却することができるために、費用にしたいと法人が考えたタイミングで費用にすることができます。

開発費を全額償却しなければいけないような特定の期限も決められていないために、法人の経営状態に合わせて、好きなときに費用として計上できるのがメリットです。費用の計上が多い事業年度には開発費として計上したロゴ作成の費用を償却することを避けて、費用の計上額が少ない事業年度に、多額の開発費を償却することもできます。

償却できる金額の上限も税務上決められていないために、一つの事業年度に全額償却することもできれば、複数の事業年度にわたって、小額ずつ費用化することもできます。法人が費用化したいときに自由に償却できるので、ロゴ作成の費用も処理しやすくなっています。

金額によっても異なる使用できる勘定科目

ロゴ作成の費用は繰延資産として計上して、任意の事業年度に償却するのが一般的な経理方法ですが、ロゴ作成のために支出した金額の大きさによっては、異なる方法で経理することもできます。ロゴ作成のために、外部の企業に支払った金額が20万円未満の場合には、繰延資産として計上しなくても、支出した事業年度に一括して費用にできるという例外があります。

この場合に使用する勘定科目は宣伝広告費などで、仕訳帳の借方に記入します。貸方には現金預金を使用して、支出した金額を減少させます。支出したロゴ作成の費用が20万円以上の場合には、原則通り繰延資産として経理されますが、完成したロゴを法人の商標権として登録している場合には、異なった税務上の経理が必要になります。

ロゴを商標権として登録した場合には、登録されたロゴは繰延資産ではなく、固定資産に該当します。そのために、使用する勘定科目も無形固定資産になり、貸借対照表の借方に計上します。ロゴは備品や建物のように実体のない資産であるために、無形固定資産という勘定科目が使用される決まりです。

無形固定資産も固定資産の一種であるために、減価償却の方法で毎年費用化され、耐用年数10年として毎年の償却費が計算されます。

ロゴを作成した場合に使用できる正しい勘定科目

企業がロゴを作成した場合には、原則として開発費に該当するため、勘定科目には繰延資産を使用します。計上した繰延資産は自由に償却することができ、償却した分の繰延資産は借方から減少させます。ロゴ作成の費用が20万円未満の場合には、支出した事業年度に一括して費用として計上することも可能で、この場合には広告宣伝費などの勘定科目を使用します。

商標権として登録した場合には、無形固定資産を勘定科目に使用します。